Paeonia Garden

牡丹の英匂ひ満ち 大巾利巾の獅子頭 打てや囃せや 牡丹芳

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『契丹 草原の王朝』

思いがけず、仕事が休みになりましたので、藝大美術館で開催中の
『契丹 草原の王朝 美しき3人のプリンセス 』
を観に行って参りました。

「3人のプリンセス」と銘打ってはいますが、格別クローズアップされているのは
第1室の半分ちかくを占める陳国公主埋葬品。
駙馬である蕭紹矩との夫婦合葬墓におさめられた副葬品は黄金マスクを始めとし、
騎馬民族である契丹という国を色濃くあらわす銀と白玉で飾られた馬具一揃い。
水晶、琥珀、真珠を穿つ首飾り。龍を象る金の帯飾り、鳳凰冠、長靴、化粧箱・・・
玉を動物の形に磨きあげる技術は大陸では早い時代から完成されているものですが、
今回はそれとは別に水晶や瑪瑙の研磨技術が大変進んでいて、蕭紹矩が持っていた
とされる儀仗の杖頭など現代と遜色ないもの。

2人目は2003年に内蒙古トルキ山古墳から発掘された牡丹唐草や鳳凰の彩色装飾も
豊かに、また四方に高欄を巡らせた須弥壇を模す木棺の主。
被葬者は太祖耶律阿保機の妹でないか、とも、また豊かな黒髪に巻かれていた金の帯
の形状、衣装の柄などから巫女の長にあたる女性ではないかともされ、こちらも豊かな
金銀の細工物の副葬品に取り囲まれて、いずれにしても契丹遼朝の中では非常に高い
地位にいた事が伺われます。

3人目は・・・えーと、正確に言えば、「プリンセス」ではなく「エンプレス」。
契丹遼王朝第6代皇帝の第2夫人、章聖皇太后。
生き様としてはかなり西太后に近いものがあり、なかなか生臭い。
そのあたりによる故か、仏教興隆に力を注いだことで、数々の仏塔建築、舎利容器、
陀羅尼を収めた小塔、小さな柄行ながらもセンスの良さを感じさせる刺繍裂など。
石の菩薩頭部の表情がは哀れみ深い優しさをよく捉えていて、今まで見たどの菩薩
より美人かもよと思ったり。

ほか、発掘された出土品なども含めて、契丹遼の盛んだった頃は非常に洗練された
豊かな文化が形成されていた事がよくわかりますね。
金銀の盒子の意匠ひとつ取っても今の時代でもいける。
ガラス壷など、そのまま家のサイドボードにのっていても許せる。
陶磁器はまた釉が白、黒、三彩、と、どれを見てもツヤが美しいし、白磁の輪花碗
などは東博にある銘馬蝗絆を彷彿とさせる形。
騎馬民族が用いる革製の水筒を象った白釉・黒釉対の皮嚢壷などデザインも秀逸。

などと、展示されている文物はどれもとても私のツボにハマるものばかりだったの
ですが、惜しむらくは図録。
全て「キリヌキ写真」
なので奥行き感ゼロ。マットな紙質のせいで陶磁器のツヤ感皆無。コントラストつけすぎ
の上ザラつき感が激しくまるで30年前のレベルの印刷か!
とツッコミを入れたくなる出来。
製作にあたったデザイン会社のセンスもゼロだが、これで発行のOKを出した九博も
どうかしている!
説明文が散漫で、周辺国家の説明も結構なんだが、肝心の契丹国内の勢力変化に
ついてなど全ての文をいちいち当たり直さないと話が進まないし繋がらない。
資料についてはまだ未解明な部分とか、今後の研究待ちみたいな部分もあるので仕方
ないにしても写真と説明がこれではね。
こんな外レ図録ははっきり言って久しぶり。なんだかなぁ・・・

| 美術・博物館・名所旧跡 | 23:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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