Paeonia Garden

牡丹の英匂ひ満ち 大巾利巾の獅子頭 打てや囃せや 牡丹芳

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『出雲 -聖地の至宝-』

思ったより病院が早く終わったので、うららかな初冬の陽気の中上野まで。
東博本館にて開催中の特別展『出雲 -聖地の至宝-』を観に。
前期展示中に来たかったんですけどねー・・・忙しかったから仕方ない。
後期は陽明文庫の古事記写本が出るのでそれも良し哉。

第1会場(4室)に入ってすぐ目につく銅戈と勾玉(共に真名井遺跡)。
鈍く黒光りする銅戈と透明感ある深い緑の石というコントラストが美しい。
勾玉の石は高志の國で産出された原石が九州に渡り、加工されて出雲の地に
渡ったとの事で、北陸→九州→出雲の交流が見てとれるもの。
今の糸魚川ヒスイは白色の部分が多くて、ピンとこない向きもあるかも知れませんが
昔はこんなに深い碧さを湛えた石が出ていた事を物語る逸品。

陽明文庫古事記写本はちょうど広げられていた頁が、事代主が去り、千引の力比べに
建御名方が敗れて、國譲り成り、大國主が我が住処にと社の造営を。と述べる
「國譲り」の部分でありました。
(いや、今回の展示内容からすれば他の頁割いても意味ないだろという部分だが)
一字一句綺麗な楷書で書かれているので読みやすい。

出雲國風土記は江戸時代の写本。
脳磯の描写だー!!! ここは黄泉比良坂の地として一部マニアには有名な場所で
一度は行ってみたい場所でございます。

そのほか、古文書の類としては「杵築大社造営遷宮旧記注進」や、「遷宮勘例案」
など遷宮の際の記録文書など。
遷宮というと伊勢ばかりが注目されがちですが、出雲でも定期的に行われておりまして、
その特異な信仰形態や周辺地域の古代勢力の分布など考えると、出雲の方がより
オカルティックかつマニアックでコアな世界だと私などは思いますね。

会場の中央にはガラスケースで囲まれた中に、かの「宇豆柱」がドーンと。
これが発掘されて俄かに注目されてからもう12年も経つんだなぁ。
「金輪御造営差図」が一挙に脚光を浴びたのもこの頃でした。
無理もない。冗談でしょ?と一笑にふされていた大丸太3本まとめた柱が実際に
出現してしまったのですから。
金輪御造営差図と伝書などの高さ16丈説に基づいて1/10縮尺で作られた木製の模型
(大林組の復元図面をもとに地元の工業高校の生徒が製作)
がとても良い出来。

工芸・絵画では6曲1双の「三月会神事図屏風」。後期は流鏑馬図です。
流鏑馬と銘打っていますが、半分以上は競馬の絵です。
慶長の作品ですが、競馬の騎手がそれぞれ狩装束の上から錦縁の裲襠を着用している
のと、被りものが綾藺笠では無く、緌をつけた巻纓冠というのがまた参加する宮人たちの
区分を感じさせる。
鎌倉期仏画の「騎獅文殊菩薩像」は瓔珞の玉ひとつひとつ、獅子の毛並み1本1本、
毛描きの金泥が大層細かく、典型的なコテコテ鎌倉仏画。
もとは大社に収められていたものが江戸初期に仏教色が排除された折に流出。
松江候の元に渡り、現在は松江市内の月照寺に伝えられ、今に至る。
流出先が松江候で良かったと心から思う一幅です。

さて、第2会場(5室)! 見たいものはここからだ!
いやー、もう入ってすぐ加茂岩倉遺跡の銅鐸がドカドカと。
そして荒神谷遺跡の大量の銅剣・銅矛!
いやあ、確かに古い物とて、朽ちてポロポロと刃が欠けるのは致し方ないにしろ
このシンプルな中細型銅剣の美しさといったら!
これが一度に1箇所から計358本も出土したんですよぉ。
(今回展示されているのは比較的状態の良い48本)
そしてまた16本の銅矛の迫力。
矛の方が比較的緑青の出が少なく、滑らかに黒く、端整で麗しい。
銅鐸や銅剣というともう世間イメージとしては緑青がふいて真っ黒で、という
姿しか教科書などには載っていないでしょうが、しかし、鋳造された当時は勿論、
みな全て赤金色に眩く光輝いていた筈でその煌びやかさは想像するに余りある。

えーと、まぁ、古代出雲の部族間衝突とか記紀に記されることのない部分に関してや
土器、銅器の日本海側から畿内、さらに北国への交流分布、という観点をここで
書いていくとキリがなくなってしまうのですけど<まだ判然としない部分も多いしのう・・・
そういう意味では、今回の図録はとても良く出来ています。
大社だけでなく、その周辺の神社由来、遺跡郡、古墳(四隅突出型)などにもきちんと
触れていますし、記紀・風土記の記述にも照らし合わせて説明も丁寧。
写真も綺麗ですし、いわゆる、
「これ以上は専門書を読んでね」
というあたりまで興味を引くように書いてあるので、100頁余りほどで1500円という
値段に合わぬほど読み応えある1冊。
図録というのはすべからくこうであって欲しいものです。

欲を言えば、今は亡き友田遺跡にも触れてほしかったが・・・

| 美術・博物館・名所旧跡 | 18:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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